ブルキナファソ

ブルキナファソ

ブルキナファソとは

ブルキナファソは西アフリカのサハラ砂漠の南に位置する共和制国家であり、人口は約2000万人。現在も高い貧困率があり、世界で最も貧しい国の一つとなっている。

乳児死亡率や平均寿命の低さも問題になっており、それに重ねて、熱帯型のマラリアなどの感染症も依然蔓延しており、高いリスクとなっている。乳幼児の死亡の半数近くの原因には、栄養不良が関与している。

アフリカ地域でのマラリアの現状

マラリアの症例数は2000年に比較し、262万人から2015年には214万人へと減少が認められ、また死亡数に関しても83万9千人から43万1千人へと減少が認められている。
この現象には殺虫剤入りの蚊帳(ITNs)の普及が極めて大きな役割を果たしており、この普及率を上げることが重要である。
現時点での発症の88%はアフリカであり、また死亡例も90%がアフリカで起こっている。
マラリアは5歳以下の乳児死亡の大部分を占める疾患であり、蚊帳の普及率が悪い国では未だに死亡症例も多い。

ブルキナファソはアフリカ地域の中でも高蔓延国であり、ITNsの普及率は2014年のデータでは国全体としては80%程とされているが、人口1000人あたり85人以上のマラリアの発症があると考えられる地域は多い。(World malaria report 2015, WHOより)

ブルキナファソでの活動

ブルキナファソでの活動地域

サポネ保健行政区:バゼガ県内の3市(サポネ市、カヤオ市、イペルセ市)にある1つの外科付き医療センターと18の診療所の運営管理を行っている。
具体的には住民に対して予防接種等の感染症対策、伝染病の治療、保健衛生に関する衛生啓発のほか、疾病データの収集と解析等、県内の保健医療事業の実施から疾病サーベイランスまでを行い、住民の健康の維持や衛生状態の改善に努めている。
地域の総面積は約1700km2、人口約10万人である。

この保健行政区の病院の2015年の統計データによると、訳50%近くの疾患はマラリアによるものであり、マラリアの年間の発症率は人口1000人当たり346.7人とデータ上だけでも非常に高い発症率が認められている。
それに伴い、乳児医死亡率も9.17%と高い状況となっていると考えられる。

マラリアの予防と啓蒙活動プロジェクト

前述のように、活動地域ではマラリアは高い罹患率を示しており、さらに乳幼児死亡率も10%近いものであり、早急な対策が必要です。
マラリアの予防としては、2000年から蚊帳の普及と使用によってかなりの成果を上げています。
ブルキナファソでも政策として蚊帳の配布と啓蒙活動は行われているものの、この地域では十分な数の蚊帳が配布されていない家があったり、また蚊帳が家の構造に合わない、マラリアへの理解の不足など、なんらかの理由で適切な使用がなされていないなどの問題が挙げられます(2016年の現地調査では約60%の家では蚊帳の適正使用がなされていない)。

そこで私たちFuture Codeは2016年よりブルキナファソでマラリア対策や、トイレ建設、衛生教育などのプロジェクトを開始しています。
マラリア対策では、より住民のマラリア予防に対する理解を深めるため、村の一軒一軒に、現地の保健担当者と共に個別訪問を繰り返します。
そこでそれぞれの家屋の形状に応じて使いやすい蚊帳の配布や補充を行うとともに、住民と共に蚊帳の適切な使用に取り組み、ボウフラの育つ環境を無くしていくことで、マラリアの感染を減らし、乳幼児の死亡率改善に貢献します。
2021年現在では、Future Codeが活動を行っているサンビ村、クーペンタンガ村(合計約4000人が対象)の蚊帳の保有率を55%から89%まで上昇させることができ、引き続きプロジェクトの拡大を行っていきます。

子どもの下痢の発生も多く、飲料水の確保も困難であることから、下痢の治療も受けることが難しい環境があり、そのため下痢による子どもの死亡も大変多く発生しています。
下痢の発生を防ぐため、住民約4000人を対象に、2022年現在までFuture Codeは約40基のトイレの建設を行っています。これにより井戸に大腸菌が混入することを防ぎ、下痢の発生を減らすと同時に、住民への衛生教育を続けています。

また、2018年からは、年間約60人の乳幼児を対象として、衛生教育を含む教育や、食事の提供を行う幼児院の運営を開始しており、地域の衛生教育の充実や、栄養不良の改善に取り組んでいます。